「お前はとても失礼だ!」

From  石原 達哉

近所のファミレスにて、、、

 

 

あれはもう28年も昔、

私が4年目になった頃のことでした。

隣の課にYさんというかっこいい

営業チーフがいました。

 

Yさんは出戻りの社員で、

見た目は少しチャラいのですが、

一旦リクルートを離れ、

他所の会社で

上手くいかない経験をして

リクルートに戻って来た、

味のある人でした。

 

難しいスポンサーから

次々と大型受注を決めてくるYさんは、

4年目の私にとって一人の憧れの先輩でした。

そんなYさんから、

或る日突然声をかけられました。

「達哉、今日の夜は空いているか?」

Yさんは、私とは直接の関係のない、

隣の課の営業チーフです。

 

そんなYさんから

そのように声をかけられて、

ある意味とても嬉しく、

また、とてもびっくりしましたが、

せっかくYさんが誘ってくれたのだから、

断る理由はありません。

 

「大丈夫です。特に予定はありません。

何でしょうか?」

と即答しました。

 

すると

「そっか、ならちょっと

 軽く飲みにでも行こうや!」

とのこと。

 

『Yさんが飲みに誘ってくれた。

ちょー嬉しい』と心を踊らせ、

 

『早く、夜にならないかな〜』

 

と、

心は既に夜の飲みに飛び、

その日は

仕事がフワフワしていたことを

覚えています。

 

飲み屋に入り、

とりあえずビールを注文し、

乾杯をするやいなや、

Yさんは私に言いました。

「達哉、お前最近、

仕事に気持ちが入ってないやろ?」

と、関西弁でズバーッと

いきなりの直球です。

 

その時の私は、

営業をもう3年やって、

ある程度何でも

一人でできるようになり、

多少マンネリを

感じていました。

「さすがYさん、鋭いですね。

 わかりますか?」

いきなりの直球をかわそうと、

多少お茶らけながら私がそう答えると、

Yさんはすかさず、

「だったら辞めたら・・」

といきなり

耳を疑うことを言いました。

「えっつ、Yさん。今なんて、、、」

「やる気がないならやめろ、

 そう言ったんだけど、、、」

と、、、

グイグイと攻め込んで来ます。

Yさんの本気に押され、

「Yさん、ごめんなさい。

今私は、リクルートをやめたいと

思っていないですし、

やめる勇気もありません。」

そう答えると、

「だったら気持ちを入れてやれ!

と言い切られました。、

そして

「達哉、お前は3つ失礼なことをしている」

と言われました。

「1つ目は、周りのみんなに対して失礼だ。

隣の課の俺がお前が今やる気がないと分かる、

これが何を意味するかわかるか?

お前がやる気がないのは

みんなに伝わっていると言うことだ。

それがどのくらい周りに対して

悪い影響を与えているかわかるか?

 

そして2番目。

お客様に対して失礼だ。

中小企業の社長さんはな、いつも真剣だ。

 

人の目を見れば、そいつがどのくらい今

真剣に仕事をしているかは見抜くことができる。

 

お前は「お客様の前ではちゃんとやっています」

と言うかもしれない。

しかしそういうのは

人は敏感に感じてしまうものだ。

今のお前の状態で

いくら回っても(訪問しても)

おそらく新規はさほど取れないだろう。

お客様は会社を成長させたくて、

採れるか採れないかわからない求人広告に

お金を払う。

その気持ちに対して

真剣にやらないということは

とても失礼なことだ。

 

そして3つめ。

お前は自分自身に対して失礼だ。

やる気がない状態では

何をやっても上手くいかいだろうし、

同じ経験をしても

学びや得られるものが少ない。

そんな状態で時間を費やすことは

お前の将来にとって何の役にも立たない。

お前はお前の人生や可能性に対して

とても失礼なことをしている。」

 

一気にそんな話をしてくれました。

私は何も言い返すことができませんでしした。

 

そして

「Yさん、すみませんでした。

 明日から気持ちを入れ替えて頑張ります」

と答えました。

 

その後、YさんはYさんが

一度リクルートを辞めて何をしたのか?

そしてどんな経験をしたのか?

そしてどのような思いでリクルートに戻って来たのか?

そんな話をしてくれました。

「居るなら一生懸命やれ、

一生懸命やらないならやめろ」

というYさんの考えは、

彼のその経験が言わしめたことだとわかりました。

 

そして、直接の上下の関係にない

隣の課の営業チーフが、

わざわざ時間を取ってくれて、

そんな話を真剣にしてくれることに対して

本当に有り難く感じました。

 

リクルートは成長したいと言う人の集まりです。

そして、今思えば、お節介な人が多かったのかもしれません。

頑張るって辛いことです。

それが自分でもよく分かっているから、

どこか途中で抜いているやつを見たら

許せないと思うし、

折れそうになっている奴がいたら

放っておけないと言う感情になるのかもしれません。

 

社長の会社にはどんな人が集まっていますか?

どんな価値観を大事にして居る人たちがいますか?

どんな価値観を大切にしたいとINPUTしていきますか?