Q.  評価は何のためにするのか?

From 石原 達哉
地元の駅前の喫茶店より

From 石原 達哉

自宅の書斎にて、、、

 

今週やったある企業の研修で、
メンバーから口々に
”評価が曖昧だ”と言う

不満の声がありました。

そこで今日は

評価の話をまとめました。

 

そもそも
評価とは何のためにするのか?

 

まず大きな問いを投げて見ます。

 

この問いに対して
社長のあなたはどんな回答をされますか?

ちょっと考えて見てください。

最初にこの質問を受けた時の
私の答えは以下でした。

「会社の利益や役職ポストなどの
 会社のリソースを
 適切に従業員に配分するため」
、、、

間違いではないと思います。

しかし、

あまり良い答えではありませんでした。

それは後ほど、説明します。

 
  
私が教わった答えは以下でした。

「評価は人を成長させる為にある」
でした。

評価とは、、、

「メンバーがより良くなるために、

 その人の現在位置を正しく伝えること」

だと言うのです。

 

このように

「評価が人を成長させるためにある」
と置くと、自ずから

「あなたは今、

 これができているけど、
 これができていませんね。

 本来、あなたの年次や役職ならば、
 この辺ができていないといけませんね。

 ですから来期はこの差を埋めてくださいね。」

 

を伝えるための、

「フィードバック面談」とか
次の期間の

「目標設定面談」と言うものが
セットで必要になてってきます。

 

何のためにするのか?

これを明確にすることで

何をしなければならないのか、

何をするのが正しいのか、

行動が明確になります。

 

そして、

人は誰でも
今よりもよくなりたいという
成長の欲求と、
威張りたい、認められたい、正当に評価されたい
という
承認の欲求がありますから、

今、
自分がどうみられているのか?
そして
何を期待されているのか?
何が足りないのか?

それを直属の上長から聞くことのできる
面談の機会は

部下にとっても
とても意味のある時間になります。

 
先の私の回答のように
評価の目的を
「給料を決めるためのもの、、、」
「ボーナスを決めるためのもの、、、」
「利益を分配するためのもの、、、」
と置くと、

フィードバック面談時の会話は
おそらく以下のようになるでしょう。

「あなたの前期の評価は○点でした。
 だから昇給は(ボーナス)は
 XX円になります」

何か味気ない通達
または説明の場になってしまいそうです。

 

そもそも利益の分配をするため
と置くと、
原資は限られていますので、

高い評価をつけるという事に対して
抵抗が生じます。

即ち、どちらかといえば
減点評価になりがちになります。

私の持論では、
人のやる気を引き出すには、

「北風型」マネジメント(減点方式)よりも
「太陽型」マメジメント(加点方式)の方が
圧倒的に効果は大きいです。

 

また、おそらく
以下のような運用がされることが
容易に予想されます。 

 
特に優れた人には高い点数を付け、
特に悪い人には低い点数を付ける。

そして
その他の人には平均的な点数が付く、、、

まさに
どんぶり勘定ですし、
上司や社長の印象値になるわけです。

それが時に
好き嫌いで評価されているとか、

お気に入りの人が贔屓されている
というような

難しい不満の原因になります。

   
方や、
”評価は成長ためにある”と置くと、
「彼はあの時にああいう言動があった。
 あの言動は物足りなかった。

 本来、ああ言う時には、
 これこれこういう言動が
 できるようになってほしい。」
と、
現場レベル、出来事レベルの各論で
彼の言動を見て指摘し、
要望を伝えることが必要になります。

部下を成長させるために
上司がやるべきポイントは
たったの3つです。

それは何かと言えば、、、

1)高い期待を伝えること、

そして、、、

2)そして現在位置を的確に伝えること

そして、、、

3)承認と更なる要望をすること、

です。

人はギャップが明確に分かれば、
何が足りて居ないのかが分かれば、
その差を埋めたいと努力するものです。

できれいれば
「今のはいいね。」「素晴らしいね」と褒め、

できてなければ
「今のはよくないね?」「どこがダメだかわかる?」
「君には〇〇のように考えて行動できるようになってほしい」

と、一つ一つの行動レベルで伝えたら、
部下は見違えるように良くなります。

「評価は成長のためにある」と置くと、
半期に一度(あるいは年に一度)の評価点を
付けることが重要なことではなくなります。

日々の行動をどのくらい見れているか?
それに対してどのくらい
彼らとコミュニケーションがとれているかが
重要になっていくでしょう。

「評価は成長させるためにある」
このアイデアは社長にはどのように聞こえましたか?