人の上に立つ者の役割
From 石原 達哉
地元のイタリアンレストランより
今日は目下炎上中の
日大アメフト部の
元監督の問題について書きます。
対応が後手後手で、且つ、
自分を守ることに必死な為、
燃え広がるばかりですね。
日大の在校生、OBほか関係者の方々は
本当にやるせない気持ちで
いっぱいのことと思います。
自分の出身校を言うことに
躊躇してしまうという状況は
本当に残念なことですよね。
さて、、、
加害者である選手の会見の中で、
私がとても残念に感じた発言がありました。
それは以下です。
「自分は高校からアメリカンフットボールを始めたのですが、
コンタクトスポーツを初めてやるということもあって、
とても楽しいスポーツだなあと思い熱中していました。」
「ただ大学に入って、厳しい環境と言いますか、、、
そういうもので、
徐々に気持ちが変わって言ってしまいました。」
「好きだったフットボールがあまり好きでなくなってしまった。」
「もちろんアメリカンフットボールを
僕が続けていくという権利はないと思っていますし、
この先アメリカンフットボールをやるつもりもありません。」
これを聞いて悲しくなりました。
同時に憤りを感じました。
監督、あなたは教育に携わる人でしょ!
その教育に携わる人が、
いったい何を教えているのですか?!
と、、、
面白いなあ、好きだなあと
熱中していたものを
あまり好きではないに変え、
権利がない、この先はやるつもりがない
と教え子に言わせてしまう。
とんでもない話です!!
教育者を名乗る資格はありません!!
私も数年前、
まだ次男が小学生のころ、
Jr. シーガルズという
フラッグフットボールのチームで
コーチをしていました。
日本一を目指す中で、
子供達に何を教えるか?
を真剣に悩んだことがあります。
しかし、
当時のチームの総監督が掲げたスローガンが
「全員でタッチダウン!」であり、
活動の目的は
”フラッグフットボールの楽しさを子供達に教えること”
だと明言されていました。
勝利にこだわると、
どうしても運動神経の良い子ばかりを
試合に出したくなります。
練習の姿勢に問題のある運動神経の良い子と、
運動試験は突出してはいないけれど
真面目に練習をしている子の
どちらを使うかで
正直、葛藤がありました。
しかし「全員がタッチダウン!」や
”フットボールの楽しさを教える”という
目的に立ち戻った時、
全国大会の準決勝戦で、
全員に出場の機会を与えました。
大阪の万博記念公園競技場の
全国準決勝戦のグランドの上で、
チームの全員がプレーしました。
サッカーや野球で
全国大会に出場することは
とても難しいことだと思います。
フラッグフットボールという
競技が故に叶えられたことでしょう。
でも小学校時代、
毎週毎週、練習をした
フラッグフットボールで
全国大会に出場した。
準優勝だったけど、
自分も全国大会の試合に出て
プレーをしたという
彼らの経験は、
一生忘れないものになると思います。
フラッグフットボールを通して
子供達に何を教えるのか?
その明確なプリンシプルがあったからこそだと思います。
話は変わります。
毎年4月・5月は新人研修のピークです。
もう落ち着きましたが、
私も講師としてたくさんの新入社員に接しました。
仕事現場の疑似体験の中で
多少のプレッシャーを与え、
その体験の中から
彼らに足りないもの
(=社会人としてのスタンスや考え方など)を
気づいてもらうという研修があります。
その最後に我々講師が
一言ずつメッセージをするという
場面があります。
講師からのメッセージが
お互いに被らないように行う
事前のすり合わせの中で
一人の講師が言いました。
「「私は厳しさの先にある楽しさを伝えたいのです。
仕事って厳しいことも多いけど、
それを乗り越えたら、
楽しいと思える瞬間がある。
そういう仕事の楽しさを伝えたい。」
彼女は担当するグループの中であった、
実際のやりとりのエピソードを例に出し、
「こういうやりとりがあったよね。
今まで何度もうまくいかなくて、
あなたたちが
ちょっと対応を変えたら
お客さんの反応が変わったよね。
お客様から褒められたよね。
褒められてどうだった?
嬉しくなかった??
「やったー!!」って思わなかった??」
と、、、
彼女のスピーチはとても素敵なスピーチでした。
「仕事が楽しければ人生が楽しい!」
これは、私が大切にしている信条です。
この春に起きたいろいろな事を通して、
あらためて思いました。
社長やマネージャーなど
仕事で人の上に立つ者は、
仕事の楽しさを伝える存在でいなければいけないし、
私はそういう人を増やしていきたいと。
今日のお話が何かの役に立てたら嬉しいです。